Interview
DX 経験者採用
S. T.
R&Dチームリーダー
オフィスの通路に立つS. T. オフィスの通路に立つS. T.

使えるデータマイニングと解析基盤で、
研究開発の「現場の困りごと」を解決する

前職
大学・研究機関
(ポスドクとして住友化学に4年間勤務)
入社年
2010年 キャリア入社
所属
DX推進室
勤務地
本社(東京)
※掲載内容は取材当時のものです(2026年5月)

Part 1

キャリア — なぜ住友化学へ?

宇宙物理から総合化学へ。
領域を「越境」して社会実装に挑む

前職での仕事内容を教えてください
物理学を軸に大学および大学院で素粒子理論や高密度プラズマの研究、それらを活かした惑星の内部構造の解明など、のべ10年にわたって宇宙物理学・天体物理学の研究に取り組んでいました。超高強度レーザーを用いた圧縮実験で惑星の内部構造を再現するなど、極限環境のシミュレーション技術を開発し、実験デザイン全般を担当していました。
ソファ席で話すS. T. ソファ席で話すS. T.
転職前、どんな課題感を抱えていましたか?
宇宙や素粒子といった基礎研究の世界は非常に奥が深く、刺激的でした。その一方で、「自分が培ってきたシミュレーション技術や計算科学のアプローチを、より実社会に近いモノづくりや実用材料の開発の中で試せないだろうか」との思いも強くなっていました。もともと私は「必要なら専門外のことでもチャレンジする」をモットーに研究に取り組んできました。そこで、アカデミアの世界にとどまらず、産業界での研究開発に視野を広げ、自分のスキルを試してみることにしました。
住友化学を選んだ決め手は何でしたか?
最初は2007年にポストドクター(任期付きの博士研究員)として住友化学の筑波研究所(現・先進基盤技術研究所)に入所しました。そこからの約4年間、無機材料の機能発現メカニズムの解析などに携わりました。国内有数の最先端設備を用いた実験と自身の専門である計算科学を組み合わせ、「実証」と「計算」がダイナミックに結びつくR&Dに大きなやりがいを覚えました。研究員の自由な挑戦を後押ししてくれるカルチャーも好ましく、この会社に腰を据えてキャリアを築こうと決意。2010年に正社員として入社しました。

前職との比較 — S. T.さんが感じた違い

住友化学
  • 納期必達

    ゴールから逆算して計画を策定し、確実に実行していくアプローチを徹底

  • 多様性に富む人材

    年代・性別・専門分野が多様で、課題解決に向けて相談できる専門家がすぐ見つかる

  • 必要な投資ができる

    費用対効果が説明できれば、研究を加速させる設備投資が可能

入社後、新しい職場にはスムーズに適応できましたか?
「学部の講義を受けた程度の化学の知識で、物理学専門の自分がやっていけるだろうか」との不安はありました。しかし、実際に配属された部署は、化学専攻の人はむしろ少なく、物理や数学など多様なバックグラウンドを持つ専門家の集まりでした。 また、前職では主にマクロなスケールのシミュレーションを行っていたため、「ミクロな現象の理解が求められる業務についていけるか」という懸念もありましたが、これについても、入社後のOJTを通じて実務の中で学ぶことで、スムーズに適応することができました。
窓際でノートPCを前に考え込むS. T. 窓際でノートPCを前に考え込むS. T.

Part 2

仕事内容 — 何を、誰と、どう進めているか

現場に足を運び、「もの」を見て課題を理解、
アジャイル(スクラム)方式で開発する

今の仕事内容を具体的に教えてください

研究開発部門におけるAI×DX推進の責任者として、中長期的なロードマップの策定から、個別プロジェクトの実行計画までを統括しています。業務としては大きく「チーム全体のマネジメント」と「特定プロジェクトの実行責任者」の2つの役割を担っています。

目指しているのは、研究開発の現場の「生々しい困りごと」を解決するDXです。研究部門が特定の物性を満たす材料を開発する際、過去にどのような開発や検討がなされたのか、社内のナレッジをワンクリックで検索できれば、時間のかかる作業を効率化できます。そこで集めたデータは機械学習を活用して解析すれば、データから仮説を立て、実験を重ねて実証していく膨大なプロセスを短縮することもできます。このような考え方で、現場が本当に使える「社内ナレッジマイニングツール」や「次世代解析基盤」を構築し、改善を進めています。研究開発部門の個別の開発テーマを支援する案件も動いています。

また、社内でのDX推進とは別に、化学業界全体での活動にも取り組んでいます。国内の大手化学メーカー数社で連携し、戦略的なデータ活用を目指すコンソーシアムの設立に向け、主導的な立場で準備を進めています。

チーム体制と仕事の進め方を教えてください

DX推進室のR&Dチームは20代・30代を中心とした多世代型の組織です。情報科学、計算科学、化学、物理、生物など、博士4名を含む多様なバックグラウンドの人材が集まっています。
開発業務はアジャイル(スクラム)方式で進め、毎週スプリントレビューとプランニングを実施。その時々で最も優先度の高い課題に対して、柔軟に対応していくスタイルを採っています。また、業務を属人化させず、チーム全体でタスクと進捗を常に共有・可視化しているのも大きな特徴です。このためメンバーはツールや基盤開発の全工程に関わり、短期間に成長できます。住友化学は事業領域が広いため、ライフサイエンスから機能性材料まで、きわめて多様な製品・技術に触れながら、研究開発の現場に貢献する手応えを味わえます。

また、すべてのメンバーが現場に足を運び、「もの」の感触を自分の目で確かめ、研究員が抱える困りごとを直接吸い上げることを重視しています。このスタンスの徹底により、現場の課題を真に解決できる、使い勝手の良いツールなどの整備が可能となります。

職場の雰囲気と一日のスケジュールを教えてください
DX戦略の策定から具体的なタスクの実行に至るまで、「メンバー全員が参加」します。専門分野やポジションに関わらず、フラットな立場でディスカッションできる風通しの良いチームです。DX推進室は当社の技術担当役員直轄の部署でもあり、社内のDXに対する期待値も高く、アイデアを実行に移す意思決定のスピードも非常に速い組織です。日々の働き方としては、私を含め全メンバーがワークライフバランスを大切にしています。
デスクでノートPCとモニターに向かうS. T. デスクでノートPCとモニターに向かうS. T.

Time Schedule

S. T.さんの一日(在勤日のスケジュール例)
9:30~10:00
出社 メール/チャットチェック
フレックスタイムを活用して出社。個人ワークに集中する場合は在宅勤務を選択することも
10:00~12:00
チームミーティング・開発タスクの遂行
アジャイル/スクラム方式を採用し、私自身も一担当者としてタスクを受け持つ。優先度に応じて取り組むべきテーマを柔軟に変更
12:00~13:00
昼休憩
13:00~16:00
会議・プロジェクト調整
チームリーダーとしての他部署との調整、外部コンソーシアムに関する協議など
16:00~18:00
集中業務・ドキュメント作成
夕方の時間は、中長期的なロードマップの策定や、技術的な解析結果のまとめなど集中が必要な作業に充てる
18:00前後
退勤
キリの良いところで業務を終え、オンオフの切り替えを大切にしている

Part 3

成長・やりがい — 入ってから、何が変わったか

現場が使えるツールや基盤を形にして、
研究開発を劇的に加速させたい

仕事の中で「やりがいを感じる」のはどんな時ですか?
自身の強みである計算科学やシミュレーション技術を、R&Dの現場に「実装」することで、研究のあり方が変わります。中でも生成AI(RAG)を活用した社内ナレッジのマイニングツールや、機械学習モデルや計算処理を用いた解析基盤をクラウド上に構築する試みには、日々新しい発見があり、今後に向けた改善ポイントなども見えてきます。現場の研究員からは「これまで見えなかったデータが見えるようになった」「解析のスピードが劇的に上がった」といった具体的なフィードバックがもらえます。やりがいとともにDX推進の面白さを感じる瞬間です。
住友化学だからこそできた「挑戦」や「成長」はありますか?

入社以来、研究所での実務を通じて、物理学をバックグラウンドとした化学領域の材料開発の経験を積み、新たに専門性を深めることができました。さらに現在では、DX推進室でツールの拡充やデータ基盤の構築に取り組んでいます。住友化学でのキャリアを通じて、複数の専門性を掛け合わせる「越境」のプロセスを楽しんでいます。

自分としては、「必要があれば、あるいは面白そうであれば、専門外のことにもチャレンジする」というモットーを実践してきたに過ぎません。以前は、一人の研究者としてシミュレーションや解析に没頭するのが日常でした。今ではチームリーダーやCPO(チーフプロダクトオーナー)として、組織全体のパフォーマンス最大化という視座のもとに業務に臨んでいます。専門軸を広げながら、全社の研究を支える仕組みづくりに貢献できることに、以前とは異なる充実感や自身の成長を感じています 。

今後のキャリアビジョンを教えてください
今後も継続して、技術の進化に合わせて柔軟に自分をアップデートし続け、必要や興味に応じて技術的な領域を柔軟に「越境」したいと考えています。 短期的な目標は、現在進めている解析基盤の整備を完了させ、研究員が当たり前のように高度なデータ活用を行える環境を定着させること。長期的には、デジタルの力で材料開発の成功確率を飛躍的に高め、さまざまな社会課題の解決に貢献できる、一つでも多くの新しい素材を世の中に送り出せればと思っています。
同僚とモニターを挟んで話すS. T. 同僚とモニターを挟んで話すS. T.

Part 4

転職して変わったこと — 働き方や生活について

多岐にわたる業務に取り組みながら、
オンとオフにメリハリをつけています

転職後、働き方や生活面で変わったことはありますか?

現在の働き方についていえば、業務量は多く、取り組むべき項目は多岐にわたっています。DXプロジェクトの一環で社内の価値あるナレッジを共有・活用する取り組みから、管理職として組織目標を策定し、個々のメンバーの成長をケアするマネジメントまで、密度の濃い毎日です。それでもフレックス制度などを活用し、自分なりにメリハリをつけて働くことができています。

休日は家族と過ごす時間を大切にしており、息子やその友達の家族と一緒にオンラインゲームで遊ぶこともあります。 世代を超えたコミュニケーションは良いリフレッシュになるだけでなく、新たなアイデアや気づきのきっかけにもなっています。

Private
S. T.さんのオフの過ごし方
レーシングカーの横に立つS. T. レーシングカーの横に立つS. T.
車は運転するのも見るのも好きです。写真は、とあるミュージアムに見学に行った時のものです。
転職を考えている方に、伝えたいことはありますか?
Message
S. T.さんからのメッセージ
「自分の専門性はこれ」と決めつけ過ぎず、新しい領域に飛び込む勇気を持ってほしいと思います。 住友化学は、化学以外のバックグラウンドの人材にも大きな裁量を与え、挑戦を後押ししてくれる会社です。DX推進室の技術環境としても、PCを立ち上げれば自動的に生成AIが起動しますし、開発業務に必要な技術は自前主義にこだわらず、オープンイノベーションの発想でスピーディーに獲得しています。また、住友化学は40年以上も前に研究所にスーパーコンピュータを導入した企業であり、計算科学に対する理解度が深く、数理モデルによるアプローチに親和性の高い環境でDXを推進できます。自身のスキルを社会に役立てたい方、広い視野でキャリアを築くことを志向される方と、一緒に働けるのを楽しみにしています。
オフィスの通路で視線を上げるS. T. オフィスの通路で視線を上げるS. T.
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