住友化学は「脱皮」の真っただ中にいる
――幅広い分野を見ていらした山口さんですが、今、住友化学という会社の現状をどう捉えていらっしゃいますか。
住友化学は、今まさに「脱皮」の時期にある会社だと思います。私が入社した1991年頃までは日本経済が成長していた時代でしたので、上司の指示に従ってきちんと仕事していれば会社も自然に成長できた時代でした。
しかし今は状況が大きく変わっています。特に製造業は、その延長線上にとどまるのではなく、そこから脱皮、すなわち自ら変革に踏み出さなければなりません。住友化学も、これまで築いてきた社風や文化のうち、大切に守るべきものはしっかりと継承しながら、一方で自らの殻を破って早く衣を脱ぎ、次のステージへと進んでいかなければならないと感じています。
しかし今は状況が大きく変わっています。特に製造業は、その延長線上にとどまるのではなく、そこから脱皮、すなわち自ら変革に踏み出さなければなりません。住友化学も、これまで築いてきた社風や文化のうち、大切に守るべきものはしっかりと継承しながら、一方で自らの殻を破って早く衣を脱ぎ、次のステージへと進んでいかなければならないと感じています。
――具体的なアクションはあるんですか?
事業のターゲットを、「環境」「食糧」「ICT」「ヘルスケア」の4つの社会課題の解決に絞ることにしました。これまでのプロダクトアウトで成長してきた時代とは異なり、社会課題を解決することで会社も成長するモデルにシフトしました。
また、取締役を部門長ではなくコーポレートのメンバーとし、横串機能を強化しました。部門だけでなく全社でチェックし、責任を負う体制にしたことで、かつての部門制の良さは活かしつつも、それだけでは十分ではなくなってきた環境に対応できるようにしています。
また、取締役を部門長ではなくコーポレートのメンバーとし、横串機能を強化しました。部門だけでなく全社でチェックし、責任を負う体制にしたことで、かつての部門制の良さは活かしつつも、それだけでは十分ではなくなってきた環境に対応できるようにしています。
社会課題の解決と、自身の成長が一致する感動
――環境・食糧・ICT・ヘルスケアという4つの課題について、具体的にはどんな技術領域と方向性なのか教えてください。
日本は資源も限られ、人口も減り、国土も広くありません。その中で、エネルギーを上手につくって使う技術、限られた国土で食糧を確保できる農業技術、そして今まで治せなかった病気を治せる医療技術、こうした分野に投資し続けたいと思っています。
ヘルスケアでいえば、iPS細胞を使った再生医療がその一つです。例えば、脳幹に神経になり得る細胞を埋め込む技術によって、パーキンソン病など、再生しないとされてきた神経系の疾患に対して効果が出ています。2025年8月に再生医療等製品として条件及び期限付承認をいただき、今年、保険収載(薬価収載)もされました。われわれが開発した細胞を用いた再生医療によって、今まで機能しなかった部位が動き始める。技術者としても非常に感慨深い成果です。社会課題の解決と自社の成長が一致する、そういう投資を続けていきたいですね。
ヘルスケアでいえば、iPS細胞を使った再生医療がその一つです。例えば、脳幹に神経になり得る細胞を埋め込む技術によって、パーキンソン病など、再生しないとされてきた神経系の疾患に対して効果が出ています。2025年8月に再生医療等製品として条件及び期限付承認をいただき、今年、保険収載(薬価収載)もされました。われわれが開発した細胞を用いた再生医療によって、今まで機能しなかった部位が動き始める。技術者としても非常に感慨深い成果です。社会課題の解決と自社の成長が一致する、そういう投資を続けていきたいですね。