Interview
研究開発 経験者採用
K. M.
テーマリーダー(初期製法)
ガラス張りの建物前で笑うK. M. ガラス張りの建物前で笑うK. M.

有望な化合物の探索から、
農薬を製造する全プロセスを開発する

前職
研究機関に学術研究員として勤務(2年間)
入社年
2009年 キャリア入社
所属
アグロ&ライフソリューション研究所
勤務地
兵庫
※掲載内容は取材当時のものです(2026年5月)

Part 1

キャリア — なぜ住友化学へ?

個性的なリクルーターに触発され、
社会に役立つ研究の世界へ

前職での仕事内容を教えてください
薬学部で金属錯体の研究に取り組み、博士号取得後に学術研究員として、原子・分子・ナノスケールからマクロスケールまでの物質の構造と機能に関わる基礎学術とその応用化に関する研究を行う大学附設の研究所で勤務しました。素材メーカーと共同で環境負荷の低い鉄を使った重合触媒の開発に取り組み、研究成果は、インキ、顔料分散などの製造に利用可能な安価で環境負荷の低い触媒として、後に特許化されています。
室内で笑顔を見せるK. M. 室内で笑顔を見せるK. M.
転職前、どんな課題感を抱えていましたか?
学生時代は、誰かに「面白いね!」と言ってもらえる研究が良い研究だと考えていました。その後、学術研究員という立場で企業との共同研究に取り組むうちに、研究で見出した技術の特許化や事業化の意義を知りました。次第に「面白い」だけでなく、「社会の役に立つ研究」も大切なのだなと思い始め、企業での研究開発という働き方を漠然と意識するようになりました。
住友化学を選んだ決め手は何でしたか?
教授からの紹介で、住友化学のリクルーターの話を聞いたことが転機になりました。その方は住友化学という会社の一般的なPRではなく、自分たちがいかに技術水準の高い研究を行っているかを熱心に語っていて、自由に研究ができる環境であることが伝わってきました。それまで就職は視野に入れていませんでしたが、住友化学が総合化学メーカーとして歴史を持つことに加え、個性的な研究員が多い会社であるという印象を受け、そこにオンリーワンの技術が蓄積されているのではないかと感じたため、就職を決めました。

前職との比較 — K. M.さんが感じた違い

住友化学
  • 高い専門性と能力を持つ人材

    多様な専門性・経験を持つ人材が揃っており、どのような課題の解決にも誰かが対応できる

  • 全員参加の報告会

    案件の進捗報告やアイデア出しには全員が参加して発言する

  • 分析誤差への飽くなき追求

    求めるデータが工業化の過程で再現できるかどうかにこだわる

入社後、新しい職場にはスムーズに適応できましたか?
最初は右も左も分からない状態で農薬の製造法に関する研究を始めました。幸いファインケミカルのプロセス研究はチームで進めていくため、その過程で上司や先輩から多くのことを学びました。同僚のバックグラウンドは生物学、バイオ技術、情報システムなど多様性に富み、入社するまで有機化学は知らなかったという人もいました。業務の中でそれぞれの強みを組み合わせて自然にサポートし合いながら、「なるほど、こうやって研究を進めていくのか」と理解を深めていくことができました。
テラスで山並みを眺めるK. M. テラスで山並みを眺めるK. M.

Part 2

仕事内容 — 何を、誰と、どう進めているか

新しい農薬の製造法確立に向けて、
組織横断で研究を進めていく

今の仕事内容を具体的に教えてください

農薬の製造法開発のテーマリーダーとして、各研究所や工場、事業部などのメンバーと適宜連携しながら研究を進めています。

農薬開発においては、農薬としての性能はもちろん、いかに安価につくることができるかも重要です。AIなども活用しながら、安価な原料から短い工程で合成できる合成ルートを目指して研究を行います。そのうえで品質設計に移りますが、厳密な基準に従って品質を追求していくのが、住友化学らしさだと感じています。農薬開発では、高品質な製品を安定的かつ安価につくり出すことが求められるため、ひたすら高純度を追求する医薬品開発とはまた異なる難しさ、奥の深さがあります。そうした検討を経て、本格的な工業化研究をスタートし、パイロットスケールで実験を重ねていきます。

研究の過程では、自身の所属する研究所だけでなく、安全性評価では先進基盤技術研究所、防災や設備の品質については高度生産ソリューションセンターなど、他の研究所との連携も必要です。お客様との窓口となる事業部や知財部、業務室、工場まで、さまざまな関係部署と密接に情報交換しながら研究を進めていきます。

チーム体制と仕事の進め方を教えてください

私が担当しているチームは全員で14名ほどで、主な研究テーマは3つあります。それぞれ3~5名程度でチームを組み、OJTを通じて数年かけて育成しています。一定の実力がついてきた段階で、次の新しいテーマではリーダーを任せるなど、経験値を高めてもらっています。

会議体としては、月次の月報会の他に月の半ばに短報会という場を設け、各チームの研究方針の確認や相談をきめ細かく実施しています。私自身が話好きで、チームメンバーと関わりながら仕事を進めたいタイプであることも影響し、日常的なコミュニケーションを大切にしています。実験前には必ず相談してもらい、安全性を含めて実験プロセスに問題がないかを確認したうえで着手するルールにしており、そのおかげで、日々気軽にメンバーが話をしに来てくれます。

職場の雰囲気と一日のスケジュールを教えてください
チームは活気があり、実験室だけでなく執務スペースでも活発に議論を交わしながら研究を進めています。対話を通じて頭の中を整理し、次にやるべきことを明確化していくのが、私たちの研究の進め方で、賑やかなチームだと思います。気軽に言葉を交わせる雰囲気、担当を越えて自由にディスカッションできる環境を大切にしています。
研究室で薬液入りフラスコを持つK. M. 研究室で薬液入りフラスコを持つK. M.

Time Schedule

K. M.さんの一日(在勤日のスケジュール例)
8:00
出社
メールチェック、未読メールがあれば処理
9:00~10:00
会議
安全工学的な観点から製造プロセスでどのような安全データを取得すべきかについて、関連部署と話し合う
10:00~12:00
チーム内ディスカッション
進行中の開発テーマについて、直近の課題と対応策を議論
12:00~13:00
昼休憩
13:00~13:10
昼礼
連絡事項や各チームで実施されている実験内容などを共有
13:30~15:00
月報会
各チームの研究方針にズレがないか、検討事項はないかなどの報告・相談
15:00~18:30
相談タイム
研究のアイデアから新しい装置の自慢、悩みごとまで、メンバーから何でも気軽に話しかけてくる文化があり、リーダーとして全力で回答
18:30~
パトロール
日課として、すべての実験・分析装置が翌日まで安全に稼働するよう点検
19:00
退勤

Part 3

成長・やりがい — 入ってから、何が変わったか

新たな合成ルートを発見する達成感。
この感動は今も昔も変わらない

仕事の中で「やりがいを感じる」のはどんな時ですか?
自分で手を動かして実験に取り組んでいた頃は、新しい合成ルートや新しい反応を見つけた瞬間に、「これだ!」という研究職ならではの感覚が味わえ、それがモチベーションになっていました。今はメンバーの研究を見守り、サポートする立場です。みんなの議論が行き詰まった際など、必要に応じて「このやり方はどうかな?」などと助言しています。その結果、「上手くいきました!」と新しい合成ルートが見出せるケースもあり、自分も研究プロジェクトの一員であることが実感できます。
住友化学だからこそできた「挑戦」や「成長」はありますか?
入社した当初は、農薬とは畑違いの研究をしていた自分に何ができるのか、手探りの状態でした。それが、諸先輩に教わったり、試行錯誤したりしながら5年ほど経験を積んでいくと、気付けば周囲から相談を受けるようになりました。「装置の使い方を教えてください」「こんな時はどう考えたらいいですか?」など、自分が必死に考えて身に付けたことは誰にとっても役立つ普遍的な知見になることが多く、それを伝える場面が少しずつ増えていきました。そもそも優秀な研究者が揃っている環境で、周囲から学ぶことも多いです。日々議論を重ね、一緒にアイデアを磨き合う研究の過程そのものが住友化学らしさであり、個の成長につながっているように思います。
今後のキャリアビジョンを教えてください
DXや自動化という技術には研究のスタイルや水準を大きく変える可能性があります。今後のキャリアの中では、研究に役立つDXの推進も重要なテーマと位置づけています。
身近なところでは、「電子実験ノート」の活用があります。電子実験ノートは、研究や実験の記録をデジタルで作成・管理・活用するためのツールですが、より研究に適したツールへとカスタマイズすることで複数の研究チームで導入、日常の研究開発の中で活用しています。
今後も継続して、研究に役立つDXや自動化を積極的に採り入れていくことで、研究員のイノベーション創出に貢献していきたいと思っています。
研究室で同僚に説明するK. M. 研究室で同僚に説明するK. M.

Part 4

転職して変わったこと — 働き方や生活について

住友化学に入ってから、
仕事と私生活のメリハリがつきました

転職後、働き方や生活面で変わったことはありますか?

住友化学への入社に伴って九州から関西に転居し、車通勤から電車通勤へと通勤スタイルも変わりました。ワークライフバランスが改善され、前職では研究にほとんどの時間を費やしていましたが、入社後は仕事と私生活のメリハリをつけやすくなりました。通勤時間を含め自分の時間が取れるので、好きなミステリー、ファンタジーやSFなど、小説を中心に本をたくさん読むようになりました。

また、当時は家族から「腰を落ち着けて就職するのだね」と受け止めてもらえたことも印象に残っています。これまでの挑戦を見守り、支えてくれた家族には感謝の気持ちしかありません。

Private
K. M.さんのオフの過ごし方
愛犬と触れ合うK. M.と子ども 愛犬と触れ合うK. M.と子ども
愛犬とじゃれ合うK. M.と子ども 愛犬とじゃれ合うK. M.と子ども
今年、念願だった犬を迎えて、家族が3人と1匹になりました。
帰宅すると、娘と犬が飛んで迎えに来てくれます。仕事の疲れも一気に癒やしてくれます!
転職を考えている方に、伝えたいことはありますか?
Message
K. M.さんからのメッセージ
先日、社外で「電子実験ノート」の活用法について発表をする機会があり、「データを探しにいくのではなく、必要なデータが自然に集まる仕組みを作ればいい」といった趣旨の話をしました。それを聞いた方から、「デジタル技術を研究に活かそうとするあなたの考え方は、とても住友化学らしいですね!」と言われました。キャリア入社の私も、長年研究に携わる中でいつの間にか住友化学らしい研究者になってきたのかもしれません。私が入社を決めたのは、住友化学の人の在り方が好ましいと感じたことがきっかけでした。同じくここで私の話を読まれた方に、「住友化学って面白いかも」と思っていただけたらうれしいです。
屋外で笑顔を見せるK. M. 屋外で笑顔を見せるK. M.
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