住友化学の創業から100年以上の歴史は、変化の歴史でもあります。
1913年、銅の製錬の際に生じる有害なガスの排出を抑制し、同時に肥料を製造することで、環境問題の克服と農産物の増産をともにはかることから誕生したのが前身である住友肥料製造所という会社です。
祖業の肥料製造から化学工業への事業発展のため、ファインケミカル事業をスタートさせ、医薬品、染料、そして農業化学品などの開発・製造に事業を拡大してきました。ファインケミカルの基盤は、機能化学品や情報電子化学品分野へ広がり、日本のスペシャリティケミカル分野の発展の一翼を担ってきました。
石油化学事業への進出は1958年。その後、シンガポールへ進出し、日本の総合化学メーカーの先陣を切り、グローバル展開を行ってきました。
住友化学は、時代のニーズや世界の社会課題に応じて、幅広い基盤技術を生かし、またソリューション開発力を発揮してきました。こうしたコア・コンピタンスは住友化学の強みであり、社員一人一人の力×チームの相乗効果により、ますます磨きをかけていくものであります。
住友化学は、約400年の歴史をもつ“住友家”の事業に源をもっており、現在もその事業経営の根本精神を継承しています。
「信用を重んじ確実を旨とし」とは、取引先の信頼、社会の信頼に応えることを最も大切にするということであり、「浮利にはしり軽進すべからず」とは、目先の利益のみにとらわれることのないようにという、強い戒めです。
このほかにも成文化はされていませんが、「自利利他 公私一如(じりりた こうしいちにょ)」という言葉があります。住友の事業は、住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない、とする考え方を表すもので、「公益との調和」を強く求める言葉です。こうした精神は、住友グループ各社へ現在も受け継がれています。
住友化学は日本の総合化学メーカーであり、世界中で事業を展開するグローバル企業です。
次世代事業の創出を加速すべく、4つの重点分野を定めています。
各分野の取組み内容は以下のとおりです。
今後も新たな社会価値を創出すべく、事業の強化と変革に取り組み、次世代に求められる事業の研究開発・事業開発を加速させていくことを目指しています。
現在、当社の連結売上高に対する海外売上高の比率は約7割を占め、世界中(北米・南米・アジア・中東・欧州・アフリカ・オセアニア)に70を超える海外拠点を構えるに至っています。
住友化学の海外事業の歴史は、自社開発の農薬「スミチオン」の輸出を開始した1960年代前半に遡ります。以来、当社グループは、グローバルでの住友化学ブランドの構築を目指して本格的な海外事業展開を開始し、海外に研究・開発・製造・販売の各拠点を開設。
最適な技術・立地・パートナー人材を組み合わせることで、競争力のある事業を世界中で展開しています。
世界規模、地球規模で持続可能な社会に貢献したい。
私たちは、グローバルな舞台での挑戦を続けます。
私たちはGXについて「従来のGXが指す『カーボンニュートラル』がもたらす社会・経済の変革だけでなく、『生態系保全』と『健康促進』を含めた広い範囲での変革」として捉え、この住友化学独自のGXを通じて価値創造で社会変化に対応する未来の“答え”を創造していきます。
当社は、経営として取り組むべき重要課題である「食料」「ICT」「ヘルスケア」「環境」の解決に向けて、4つの事業部門を展開しています。
「アグロ&ライフソリューション」と「ICTソリューション」を当面の中核となる成長ドライバーと位置付け、高成長・高収益の実現を目指します。
また、「アドバンストメディカルソリューション」は次世代の成長ドライバーとすべく、早期の育成に注力します。
さらに、「エッセンシャル&グリーンマテリアルズ」については、社会を支える製品を安定的に供給するエッセンシャルな事業であることに加え、環境負荷低減技術による価値創造という事業領域のコンセプトを明確にし、運営してまいります。